2016年02月05日

陽明学者の嫁!

2月5日(金) 晴れ 旧暦十二月二十七日 正午の月齢26.1

いやいや〜 またしても素晴らしいコンサートに出逢えちゃいました。
この初演に立ち会えたことを、好運かつ光栄に思います!
というわけで、今宵は日暮里へ。

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駅から徒歩2分、ホテルラングウッド4階のサニーホールで
19:30から、山地真美さんの「新春を言祝ぐ」コンサート、
「ピアノ、獅子と舞う」を、拝聴したのでした。

獅子舞とのコラボの他、山地さんの郷里の偉人にして陽明学者の、山田方谷を描くとのこと。
ピアノと語りで陽明学者を演じると聞き、正直、いったいどんなことになるやらと思っていたのですが、
フタを開けてみたら、陽明ならぬ嫁!!
女性らしい着眼にて、方谷の妻の視点から、
学に志す者の苦悩と夢とを、見事に描ききってくれました!
また山地さんのソロピアノ、獅子舞とのコラボも含め、細部に至るまでよく練られた、内容豊かな充実のステージだったと思います。

開演前
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さて第1部は、山地さんのソロピアノ演奏から。
1曲目「桃太郎の主題による変奏曲」が、今宵もとても良かったです。
以前のコンサートで「ドビュッシーが好き。私にいっぱい影響を与えた」と仰ってた山地さん。
うん、確かに桃の香に加え、ほのかにドビュッシー的な香気漂う桃太郎だったかも知れませんね。

また2曲目「鶴は舞う」は、優雅で端正な演奏、
3曲目「瀬戸の波音」はゆったりと、緩やかな演奏でした。
大学時代、車で瀬戸の海に行き、波間に島が浮かび、船の通る情景をよく眺めていた。中間部の静かな部分には、あの頃の思い出が表現されている。そんなお話をされてました。
また演奏後には、今日は本当にあの頃を思いだしながら弾いてしまった、とのお話が。
ああ、だからあんなにゆったり演奏されたんだなって、思いました。
そして4曲目の「裏葉柳」でも思い出話が。この曲のテーマとなった倉敷の美観地区は、実家から自転車で20分の距離。よく見に行かれたそうですが、ここで打ち明け話。
実はこの曲、曲が先にでき、出来てからこの曲、美観地区にぴったりな調べだと気付いたのだそうです。
演奏は素朴で、まっすぐな情感の伝わってくるものでした。

さて演奏が終わるや、舞台の雰囲気がサッと変わり、
「獅子は、…」と女性の声が響いて来ます。
おなじみ朗読担当・東優夏さんのアナウンスに導かれ、舞台は一気に獅子舞の世界へ。
気天流家元・江澤廣さんによる金獅子と、ピアノとのコラボスタート。
獅子の噛むカッ!カッ!という強く乾いた音と、舞い姿。そしてピアノの舞いとのかけ合いが始まります。

ふつう獅子舞とのコラボ音楽というと、笛太鼓による飄々として軽やかな音が思い浮かびますが、
そんなお囃子系と比べれば、より優雅でしっとり感のある、山地さんのピアノ。この音もまた、獅子舞によく合います。
雅やかな和の情緒溢れる山地さんのピアノだからこそ、このコラボ、実現したと言えるでしょう。
演奏中、時々獅子の方を振り返りながら、間合いを計る山地さん。舞と演奏とによるユーモラスな「会話」の妙にとっぷり浸りつつ、堪能させて頂きました。

なお第1部の最後、山地さん東さん江澤さんらが舞台よりご挨拶。
その中で、今朝江澤さんが禊をされた福銭を、僕ら観客にお配り下さったことをご説明。以下の写真がそれです。

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さて10分間休憩ののち、第2部「山田方谷伝」のスタートです。
冒頭いきなり東さん、「子、のたまはく!」と、
塾の子供たちを4色の声色で描き分け、ド肝を抜いてくれます。
その後はもうラストまで、息もつかせぬ怒濤の舞台。

で、この舞台、必ず再演、再々演があると睨んどりますんで、ネタばれは出来るだけ控えたいと思います… が、ほんのサワリだけご紹介。
郷里の塾で儒学を学ぶ5歳の方谷を、あにさまと慕うしん(進)は4歳。
やがて2人は結ばれますが、学びの夢を追い続ける方谷たちの前に、生活苦が立ちはだかります。
「貧乏が憎い!!」と叫ぶ東さんに続けて、山地さんの「ドーーーーーーォォォン……」と鳴らす、衝撃的なピアノ音。
単音ではこの日一番の印象的な音だったかも知れません。

こんなふうに、学びの道から引き剥がされそうになる方谷の心を、妻しんが必死の思いで支えていく。そのような設定のもと、
志を強く持つこと、夢を諦めないことの尊さを、東さんの語りと山地さんのピアノが、切々と語りかけてくれました。
一本ピシッと筋の通った、骨太の素晴らしい作品に仕上がったと思います。

また衣装の扱い(扱い、としか書きません。再演をお楽しみに)や、クライマックスの火事の場面で弾き手の山地さんが突如演じ手に変じ、スタスタと退場してしまう場面など、呆気に取られるほどよく練られた舞台作り。お見事!の一言でした。

(ここより2枚の写真は主催者様よりのご提供。掲載許可済みです。)

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人はだれしも、生活のため夢をあきらめかけた経験の、2度や3度はあるもの。でも気持ちを励まして、また先に進もう。そんな強いメッセージの伝わってくる作品でしたね。
読後感ならぬ聴後感は、実に爽やか。

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やっぱ音楽って、聴いたら元気になる、力が湧いて来るのが最高だなって思います。今宵の演奏はとっても貴重な、心の栄養になりました。
また次も、おおいに期待しています。

最後に山地さんより、
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とのことでした〜。

ではおし舞い。


posted by 弘松勘八(ひろまつかんぱち) at 23:28| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつもありがとうこざいます。
また頑張れます💓
Posted by ゆ at 2016年02月09日 01:12
かの「ゆ」うめいな「ゆ」さん?
コメント有難うございます。第二章もお待ちしてます。
Posted by 弘松勘八 at 2016年02月09日 20:12
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