2016年05月30日

自分への挑戦状

5月30日(月)雨、夕方から曇り 旧暦卯月二十四日 正午の月齢23.3

今日もまたピアニスト山地真美さんのコンサートに行って参りました。
フルート大澤明子さんとのユニット・「La Valrade」(ラ・バラーデ、通称“ラバラ”)での演奏です。
昨年9月3日に初めて聴いて以来、山地さんの催しの日は、雨降りが多い。
そして不思議にもコンサートが終わる頃には、雨が上がっていることがほとんどです。

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今宵の会場は東京タワーの近く、「ザ・プリンス パークタワー東京」のイベントホール「メロディーライン」。シックで落ち着いた内装と、素晴らしい音響。
今まで山地さんのコンサートを聴いた中で、この会場の音が一番気に入りました。
ラバラの定期公演を、これからずっとこのホールでやってくれないかなと思いました。

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演奏は2部制。1stステージは【音楽で世界をめぐる】と題し、「国名や都市名が付いた音楽で世界中を旅するように」、プログラムを組まれたよし。
山地さんは青、大澤さんは朱色のドレスでご登場です。

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さて演奏。1曲目「遥かなるアジアの空」の出だしからもう素晴らしい!
ずっと快い音の揺りかごに身を委ねつつ、過ごしておりました。
いつもなら、後でコンサートの感想書くことを意識して、心のどこか一隅は覚めたままなのですが、
今日はもう全心、音にとっぷり漬かったまま。
時折目をつむり、軽く体をスゥイングさせながら、聴き入っておりました。
この1stステージのナビゲーターは大澤さん。演奏の合間に曲の紹介役を務めます。
3曲目「ヴェニスの謝肉祭」では「フルートの音のデモンストレーション!」と曲紹介。そのお言葉の通り、あらゆる演奏技法を次々繰り出す、大変力の入った演奏ぶりでした。

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さて30分休憩ののち、2ndステージはLa Valradeオリジナル曲の演奏。替わって作曲者の山地さんがナビゲーターを務めます。
衣装も替わって、大澤さんは明るいグレーのミニ、山地さんは白のロングドレスとなりました。

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2ndステージのなかでは、僕としては1曲目の「aqua story」の演奏が一番良かったな!
「瑠璃色のつむじ風が次々舞い起こるような」、そんな言葉が浮かびました。
とてもイキイキした演奏! 1stステージも良かったけど2ndステージはもっと素晴らしいと、冒頭から確信しました。

3曲目の「セピア色の風景」も、ラバラのコンサート定番曲の1つ。
「懐かしい風景を振り返る。でもここへは帰って来れない。先に進んで行くしかない。そういう心情から生まれた曲」と、山地さんから曲紹介。
そんなふうに補助線を引いてもらい、改めて聴いてみると、うん、確かに。
美しい思い出に浸りたいけど、浸り切れない。
また雄々しく未来へ向け船出しようとするけれど、ちょっぴり後ろ髪引かれる想いが混じる。
そんな演奏ぶりだったかも知れません。

4曲目「フルートのために」は昨年、山地さんが大澤さんのお誕生日にプレゼントされた曲。
「フルートのために生きていく。フルートのためなら頑張れる。」
そんな意味をタイトルに込めた、大澤さんへの応援歌のよし、山地さんからご紹介がありました。
演奏を聴いていたら、「中学高校卒業の日の切なさのような音」、そんな感想の言葉が浮かびました。
桜花舞うような甘ずっぱさを感じさせる、しっとりとした旅立ちの歌。そんな印象を抱いたのですが、変な感想でしょうか?

さてラスト6曲目は、待望の新曲! 都会に暮らす孤独感を描いたという「Urban Solitude」の発表です。
これは率直申し、なかなかの力作! 山地さんの音楽家としての底知れぬ力量を感じさせる意欲作と言えます。
キラキラな光景を模した音、また深淵より湧き出でうごめき、這い回るような音。心のもがきを表すような音。
ありとあらゆる作曲の技法を駆使し、作曲家山地さんが演奏家山地さんと大澤さんに挑戦状を叩きつけたような作品と感じました。
あえて率直に書きますが、演奏家La Valradeはまだ、この挑戦に十分応えているとは言えないと思います。
この曲はまだ、初回提示されたばかり。作曲家山地さんの打ち出したスケールのでかい設計図を、演奏家山地さんと大澤さんがどう練り直し練り直し、素晴らしい建築物として鍛え上げていくか。2人の今後にますます期待が募ります。

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そんなわけで今日の演奏を聴き、
今の水準で小綺麗にまとめて満足することなく、よりハイレベルなものを打ち出すことで自らを鼓舞し、高めようとする山地さんの姿勢に、改めて強い感銘を受けました。
7月のヨーロッパ遠征後には、さらに一回り脱皮した山地さんに出逢えることでしょう。
7/2の山田方谷第2弾を経て、遠征後はいつどこで、ニュー山地さんにお逢いできるかな?
おおいに期待しています!

(ザ・プリンス パークタワー東京 敷地内の光景)
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posted by 弘松勘八(ひろまつかんぱち) at 23:23| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする